アイランドテーブル対談「帰島10周年三宅島×口永良部島」

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2015年5月29日の噴火で全島避難を余儀なくされた鹿児島県口永良部島。
東京ではあまり報道されることもなくなりましたが、
今もいつ帰れるかわからない状況の中で島の方々は、屋久島や本土で避難生活を送っています。
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仮設住宅への入居が開始された今日、屋久島と東京飯田橋にあるギンロク会場をスカイプで結んで
全島避難後の様子や、島のこれからについて語り合いました。

東京会場には、噴火、全島避難、帰島、復興を経験した東京都三宅島の体験者と
口永良部島で2009年からプロジェクトを行っている
学生をゲストにお越しいただきました。
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(写真)
東京会場:
左・冨永 真之介さん
東京都港区出身の22歳 慶應義塾大学環境情報学部4年。
長谷部葉子研究室口永良部島プロジェクトに所属。
口永良部島を「力試しの場所」と捉え、地域協働プロジェクトとしてフィールドワークを重ねる。
2013年9月~2014年8月、休学して1年間滞在。昨年8月の噴火時には島民と共に避難。
噴火に伴い、支援プロジェクトをメンバーと共に立上げる。

右手前・穴原 航太郎さん
三宅島出身の25歳、東京海洋大学大学院修士2年。
海洋再生可能エネルギーと漁業者との調整問題に取り組む。
将来は島の自立した環境を作ることを目標に活動していきたいと考えている。
噴火当時小学4年生。

口永良部会場:
貴船森さん 民宿経営 島の異端児
慶應義塾大学長谷部葉子准教授(口永良部島プロジェクト
慶應義塾大学池田靖史教授(口永良部島プロジェクト

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三宅島で避難経験をした穴原さんと避難中の貴船さんとのやりとりは、とても迫力あるものでした。

三宅島は当時4000人近くいた人口が、帰島後は2500人程度にまで減少。
それでも、大きな変化があったという。
それは、「島を変えるという思いがある人」が増えたことだという。
避難前の島よりも島がひとつにまとまり、みんなで課題解決に取り組むエネルギーが
他の島からみたといきに伝わるといいます。
そしていま、人口が増えつつある島のひとつとして注目を集めているのです。

小学4年生で島を離れ親や友達と離ればなれの生活を強いられた穴原さんも、
島にいた頃は、島を離れてからUターンすることはあまり考えていなかったが、
避難生活によって島の将来を考えるようになったといいます。
同年代の若者とつながりたい、そして「島が好き」「島の未来を考えたい」という思いから、
高校時代、伊豆諸島の高校生同士が一緒になって島の未来を考える「伊豆諸島ドリームプロジェクト」を立案。
大人たちも巻き込み、自分たちでできることを考えに考えたといいます。

「家業がないので自分で稼ぐことをしないといけないと思って大学で学んでいる。」
穴原さんはいま、このドリームプロジェクトの仲間と島おこしの会社を立ち上げ、
卒業後は島に戻って、試行錯誤しながら稼ぎを見つけていきたい、と意気込んでいます。

口永良部島の貴船さんも、「思いがないと始まらない」と加勢。
朝まで熱く議論する大人の背中を見て育った子どもたちは、同じように島のことを考えるようになるという思いから、
本音で語ろう会」といって、大人が熱くなって島のことを
議論する様子を子供たちもまわりで聞く場を作ったそうです。

また、慶応大学の口永良部島プロジェクトについても言及。
「都会の頭でっかちの学生が島に来て、都会的な発想を持ち込んで、島の人の脳みそをかきまわすことで、自分たちのことを考えて言葉を見つけるようになった。
思わぬ効果で島が、
すごくいい方向にむいている。10年たったらすごく変わる気がする。」と自身みなぎる面持ちで話をしてくださいました。

会場からの「なぜそんな危険な場所に住むのか。」という質問に、
「避難したことで、島が「自分が自分でいられる場所」だとあらためて感じた。火山も愛おしく思えてきた。
逆にみんなに聞きたい。『なぜ危険な都会に住むのか?』と。」
考えさせられる一言でした。

既に彼らは50年後、100年後を見据えて動いています。

じゃあ、われわれ島外にいる人立ちができることは??
返ってきたことは、
「常に気にかけること」、「つながり」を絶やさないこと。」

このアイランドテーブルや島の人たちとの活動を続けていきたいと思います。

人の数ではない、島のことを考える人の数が大事だとあらためて気づかされる夜でした。

「アイランドテーブル」とは、島の人、島にかかわる人、島好きな人などが集まり、個々の課題や悩みについて話し合う場として2012年の6月にスタート。
つむぎやの友廣裕一さん主催で2回開催された「島会議」の志を引き継ぐプロジェクトでもあります。

<過去の出演ゲスト(順不同、敬称略)>
佐藤喬(海士町・離島キッチン)、近藤弘志(島前西ノ島・ヒトツナギ)、丸尾誉(瀬戸内海・島フェス)、川崎克寛(気仙沼大島・つなプロ気仙沼)、木村諭史(新島)、小林恭介(新島・新島ふれあい農園)、古崎公一(岩城島・株式会社ぽんぽこらんど)、松浦伸也(すみだ青空市ヤッチャバ)、山地竜馬(口永良部島)、豊田光世(佐渡島)、池田龍介(与論島・誇れるふるさとネットワーク.)、馬場嵜初則(五島市東京事務所)、松原 昇司(奄美市東京事務所)