伊仙町 空き家調査から2年が経過

伊仙町で空き家活用の検討を開始したのは、平成26年。
それから2年が経ちました。
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地元シルバーの大工さんが2か月近くかけて改修したゲストハウスあむとぅ。
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オープンして数か月、ニュースになった割には、関係者以外の宿泊がほとんどなく、その後の経営が危ぶまれました。

そこで、月イチでゲストハウスを運営する理事の方と定例会を持つことにしました。
「月に5泊してもらえば、赤字は免れるよね。」
「負担をかけずに黒字を出すには、長期に泊まってもらうのがいいよね。」
「理事ひとりが月1組お客を呼ぶ覚悟でPRしよう。」
でも、すぐに成果は現れません。

そこで、空き家活用や地域づくりに関心がありそうな大学に声をかけて、研究の一環としてゲストハウスの魅力アップに挑戦してみないか、持ちかけました。
すると、芝浦工業大学建築工学科が関心を示してくれ、ゲストハウス「あむとぅ」魅力アップ大作戦が始まりました。
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来島した学生のほとんどが、都会生まれ都会育ち。
田舎の人と接するのも初めてなら、地元の人を訪問して話を聞くためにお願いをするのも初めての学生たち。
最初はどうなることかと心配もしたけれど、徳之島伊仙町の人のパワーは普通の田舎とは大違い。
おどおどする学生に、年配者は気軽に話かけてくれ、昔話をしてくれたり、観光客では絶対に行くことができない歴史ある場所に連れて行ってくれたり、夕食を作ってくれていたりと、学生は予期せず忙しく過ごすことになりました。
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子どもたちもまったく人見知りもせずに、学生に話しかけてきました。
気が付くと、完全に学生たちが遊ばれるという環境が出来上がってしまいました。
スコップの使い方は、子供たちが学生に教えるという、逆転現象まで起きました。

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そしてある学生が発した一言が
「人にショッキングです。」

そう、学生たちが想像していた"田舎"ではない環境がそこには広がっていたのです。

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4か月に1度のペースで来島して、1週間ほど滞在していると、生真面目な学生たちは、だんだんと島に馴染んできて、
プロジェクトの企画や実施も、自分たちで地元の青年団らとやりとりして進めるようになりました。

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1年経った頃には、半信半疑で学生と付き合っていた島の方も、「次いつ来るの?」、「次何やるの?」、「次、これやって欲しい」と言ってくれるようになりました。
お互いの要求もぶつけあえるまでになってきました。(徳之島だから?)

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青年団主催で行った、2度目の十五夜祭りの後、青年団長が学生たちに、
「君たち本当に来てくれてありがとな、君たちがいなかったら、青年団で集まる機会もなくて(学生が来るたびに集まってくれたのが青年団でした。)、今年の十五夜もやってたかどうかわからなかったよ。」
と声をかけてくれました。

そして、もうひとつ驚いたのは、ゲストハウスに遊びにきた子どもたちが、
「ねえ、知ってる?この家、前は空き家で草が生えてボロボロだったんだよ。それをきれいにして、泊まれるようにしたんだよ。」
と自信満々に学生に教えてあげる光景を目にするようになりました。
「俺んちの隣も空き家だよ。」
と教えてくれる子も出てきました。
倉庫を改修していると、「俺たちの秘密基地にするよ。」と言って、率先して掃除を始める子供たち。
なかには、「俺が経営者になってあげようか?」って、予想もしない一言が、ただの悪ガキだと思っていた少年から飛び出し、一同ハゲ~(奄美の方言で、驚いたり感心したときに使う。)。

いるだけでも存在価値はあったのかもしれません。

新しい価値観を持つきっかけになっていれば、嬉しいことです。

これからは、成果を出す時期にきています。
「ゲストハウスあむとぅの魅力アップをはかって、稼働率を上げる!」に向けて、
最初のステップ、「集落の人に認知してもらう。」はほぼ成功と言っていいでしょう。
次は、「学生たちのおかげで、ゲストハウスに人が泊まるようになって、集落も元気になった。」と言ってもらえるように、新たなしかけを考えていきたいと思います。